舌痛症の一因として、内科的疾患や薬の副作用も挙げられます。
今回はその中で主だったものについて説明いたします。
高血圧の治療に用いられる降圧剤は、血管を広げる作用(血管拡張作用)を持つものが多くあります。
このような薬の副作用として、むくみ(浮腫)が起こりやすくなり、「むくみについて」で述べたようなむくみによる痛みが生じている場合があります。
糖尿病の症状に、免疫の低下と口腔乾燥があります。
免疫が下がるとヘルペスやカンジダなど、舌に悪影響を及ぼすウイルスや細菌がはびこりやすくなり、また口腔乾燥については以前にも述べた通り舌痛の一因です。
このような精神的な病気では、いずれにしろストレス過多な状態であることもあり、そのストレスが舌に悪影響を及ぼすことも多々あります。
また、睡眠薬や向精神薬の副作用として口腔乾燥がありますので、この影響も少なくないと考えられます。
その他にもいろいろな病気が舌をはじめとした口腔粘膜に悪影響を与えますが、いずれにしろ薬を常用することがほとんどであり、どのような薬でも体内の水分を使いますのでむくみや口腔乾燥を引き起こすことはほとんど防ぎようがありません。
薬の種類が多い、という方には水分補給をしっかりしていただくようお願いしております。
とはいえ、常用薬を減らしたり変更したりするのはあくまでも主治医の判断が必要ですので、薬の変更などが舌痛症の治療に有効であると考えられる場合にはこちらから主治医宛に相談、依頼いたしますので患者様の自己判断で休薬、減薬などを行うことは固く禁じさせていただきます。
口腔外科専門医
稲田 良樹
舌の痛みやしびれなど、
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※2023年11月1日新規開院