前回に引き続き、患者様ご自身に注意していただきたいこと、できるだけ避けて欲しいことなどをまとめてみます。
好き嫌いやアレルギーなどもあり、バランスの良い食事が難しい方もおられますが、できるだけ栄養のバランスを考慮した食事を十分にとることは重要です。
また、濃い味付けのものは粘膜を刺激し、口腔乾燥の原因ともなりますのであまりお勧めできません。
睡眠不足は体調不良やストレスの蓄積につながり、また免疫も低下させてしまいます。
しっかり食べてしっかり寝るのは健康な生活の基本です。
癖を治すことは非常に難しいものですが、意識していれば気づくこともあります。
舌に負担がかかるような癖がある場合には注意していただきたいと思います。
内科的な持病などでお薬を常用されている場合、その副作用で口腔乾燥や浮腫が生じる場合があります。
そのような方は多めの水で薬を服用するようにし、また十分な水分補給も心がけていただきたいと思います。
一般的に粘膜痛に処方されることの多いのがステロイドを含む軟膏なのですが、舌痛症には全く無効であるばかりか、免疫力を下げたり傷の治りを遅くしたりすることで口内炎やカンジダを誘発してしまう場合があります。実はステロイド軟膏が有効な粘膜疾患は非常に限られています。そのような特殊な病気以外でのステロイド軟膏の使用はお勧めできません。
前回、今回と注意事項をまとめてみました。
診療の際にも同様のことを確認しておりますが、患者様ご自身でも以上のことについてご周知いただければ幸いです。
次回からは、舌痛症以外の粘膜の病気について述べていきたいと思います。
口腔外科専門医
稲田 良樹
舌の痛みやしびれなど、
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※2023年11月1日新規開院