早寝早起きは健康に良いと言われますが、十分な睡眠を取ることで体調は改善し、ストレスの解消にもつながります。
私も舌痛を訴えて受診された方には必ずと言って良いほど「しっかり食べてしっかり眠る」ことも治療の一つであると説明するようにしております。
しかし、もとより不眠があり、睡眠薬などを常用されている方は、舌痛症患者のおよそ半数程度にはなろうかと思われます。
しっかり眠れないことで口腔乾燥やストレスの蓄積、悪習慣の増悪が生じ、その結果舌に痛みが出る、ということもありますし、睡眠中の乾燥や疼痛で目が覚めてしまってまた眠れなくなる、という悪循環もよく聞く話です。
ただ、向精神薬や睡眠薬を舌痛症に有効である、と言われる医師や歯科医師の方も少なくありません。
その理由として、睡眠の質や時間が改善されることで、ストレスが緩和され悪習癖も抑制され、結果として舌の痛みが軽減される、ということになろうかと考えられます。
ただし舌痛症患者様の半数程度はすでに睡眠薬などを常用されていることもあり、また、こういった薬には、副作用として唾液量の減少=口腔乾燥を生じるものが多いため、私個人としては処方することはありませんし、お勧めすることもありません。
絡んだ毛糸をほぐしたつもりで、別の毛糸を締めているようなものですので、結果として症状の軽快を遅らせてしまう可能性が高いからです。
ではどうすれば睡眠を改善できるのか、ということになりますが、まずこちらの記事についてでも述べたカフェインの摂取は避けるべきでしょう。
カフェインは利尿作用だけでなく、目を覚ます作用、興奮作用があることは誰でも知っていることだと思います。
少なくとも過剰摂取は避けるべきと考えられます。
また、睡眠を促したり眠りを深くする方法や食事療法などもインターネットなどで検索すれば無数にヒットしますので、こういったホームページなどを参考にすることも勧められます。
ちなみに私は青魚が苦手なのですが、大体のホームページで青魚は睡眠に良いと紹介されているようです。
何でも偏りなく食べるというのは難しいことですが、こういうホームページには代わりになる食品も掲載されていますので参考の上バランスを考えて食事をとれば、栄養だけでなく睡眠も改善される、ということになろうかと考えます。
口腔外科専門医
稲田 良樹
舌の痛みやしびれなど、
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※2023年11月1日新規開院