舌に痛みを生じさせる原因である血液中の鉄や亜鉛の低下がなく、ただ唾液の不足による舌痛症というのは頻繁に見られます。
実際海外の論文の中には舌痛症と口の渇きによる痛みを一つのものとして捉えているものもありますし、当外来を受診する患者様の中には唇まで痛いという方もいらっしゃいます。
こういったケースでは、かかりつけの歯科医院で歯科医師に相談することが多いはずです。
口の渇き、口腔乾燥症(ドライマウス)は現在すでに一般的ですので、歯科医師は適切なアドバイスをしてくれるはずです。
それはエタノール(アルコール)が入っていないうがい薬やジェルで保湿することです。
そして熱心な歯科医師であれば、耳の前や顎の下をマッサージしたら唾液が出ることも教えてくれるはずです。
しかし、保湿やマッサージには致命的な欠点があります。
それは効果が一時的であることです。
このパターンでお口の中に痛みが現れてしまった方は、常に口の中を潤わせなければなりません。
そのためには一般の歯科医院でできる対応は不十分と言って良いでしょう。
なぜなら一般の歯科医院に専用の薬を置いてある可能性は低く、また社会制度の兼ね合いからそれらの薬を使用することに躊躇する歯科医師が多いためです。
これは施設や制度による限界であり、歯科医院や歯科医師が悪いわけではないことは添えておきたいところです。
舌痛症専門外来では、まず漢方薬を使用して唾液が出る体質に戻るよう試みます。
唾液は加齢や持病の薬の副作用など様々な原因で体質が変わり、分泌量が低下します。
それを元通りの唾液が出る体質に近付けることが、舌痛症外来での治療になります。
もちろん沢山の原因がありますので、漢方薬も複数の中から選んで処方し、お体に合ったものを探していきます。
漢方による治療を受ける際は、6ヶ月など長い単位で効果を見ることをご理解ください。
漢方薬というのは体に優しい分だけ立ち上がりが遅いお薬、薬効が現れるのに時間がかかるお薬です。
そのためすぐに効果が出ないと諦め、飲むのをやめて通院をやめてしまわないようお願いします。
しかしもちろん改善の兆しが見られない場合、その漢方で体質を変えることは難しいと判断し、別の漢方薬に切り替えます。
言い換えれば我々はしっかり二の手三の手を用意しているということですから、安心して、ある意味お任せしていただければ大丈夫です。
二人三脚で長い道のりを辿るイメージで、舌痛症に向き合いましょう。
漢方薬も確かに肝臓にわずかに負担をかけます。
しかしながら、おおまかに言うと三種類未満の漢方であれば、医学的問題を生じさせる可能性は低いです。
つまり二種類まで使用できると言うことですが、実際の患者様は一種類の漢方で十分な効果を得ている方が多いです。
さらにたくさんのお薬を飲んでいる方にこそ伺いたいです。
お口の中が乾いたりネバネバして痛みはありませんか?お薬を原因とした舌痛症は大丈夫ですか?
そういった方がいらっしゃった場合、ぜひ当外来へお越しください。
お薬による口の渇きに効く漢方もしっかりとご用意しています。
当法人の舌痛症外来はこちらからご予約ください。
医療法人光惠会
舌痛症外来担当医 小林隆洋
舌の痛みやしびれなど、
お気軽にご相談ください。
※2023年11月1日新規開院