当院の外来担当医は様々な文献から情報を収集し、治療に反映させています。
本記事では、特に筆者が心がけていることを記載したいと思います。
少々専門的な部分もありますし、同業者の一部の方は気分を害するかもしれませんが、お付き合いしていただければ幸いです。
書籍から学ぶドクターが多いのが歯科業界の特徴ですが、筆者はあまり書籍のみを参考にしません。
理由としては、どこの誰が書いたか分からない本なども含まれているため適さないものもあると考えるからです。
そのため筆者は自分で医学論文検索エンジン(主に海外の論文を検索するためPubmedを使用。場合によってJ-stage、CiNiiなど日本語論文を検索)を使用して論文を探します。
論文には書き方、研究のやり方によってエビデンスレベルと呼ばれる信頼性の高さのランク付がなされています。以下に表で記載します。
エビデンスレベル | 分類 |
Ⅰa | RCTのメタ解析・システマティックレビュー |
Ⅱ | 1つ以上のRCT |
Ⅲ | 非ランダム化比較試験 |
Ⅳa | 疫学研究(コホート研究) |
Ⅳb | 疫学研究(横断研究・症例対象研究) |
Ⅴ | 症例報告・ケースシリーズ |
Ⅵ | 専門家の意見 |
専門的で難しく感じることと思いますが、詳細は気にしないでください。
要は文献にも信頼性の程度か分かれていて、上から順に信頼できる情報と判別して論文を読むことが重要だと言いたいと思っていただきたいです。
この表の一番下、専門家の意見に着目していただきたいのですが、これはエビデンス、科学的根拠としては最低ランクです。
筆者が本を避け、生のデータからできる限り情報を集めている理由の一つが、書籍の信頼性に疑問を持っているからです。
そのため国内外から論文をベースに情報を集めています。
ここまで書くと、論文にはさぞ優れた内容が書いてあるものだろうと思われるかもしれません。
しかし世の中には投稿したら世界中に発表する学術雑誌が多数ありますので、論文の信頼性は自分で判別しなければなりません。
生のデータを患者様に反映させるには、この目があることがマナーであると考えていますし、当院舌痛症外来では適切なデータに基づいた治療を行っていると自負しています。
論文の信頼性は、研究対象の人数、数値の差の程度や関連の強さから算出することができます。
80%信頼できると算出できる研究結果は信頼できるといって良いものです。
よく「100人くらい対象者がいたら良い」などという意見を言うドクターもいますが、あくまで数値で計算して算出するものですのでそれは誤りです。
なお、本というものを毛嫌いしているわけではないのですが、やはり参考文献として本の著者が参考にしている研究に不備があるものもありますので、できる限り自身で検証していかなければ、大切な患者様の治療に臨んではいけないのではないかと思っています。
生のデータというものは常にアップデートされています。
当院外来担当医もできる限り常に最新の知見を身につけながら、患者様に還元していく姿勢を保っています。
その中で、例えば舌痛症に使用する薬剤として歯科医が処方することが周知されていないがゆえに、他院及び他診療可において、当院が処方する薬を飲んでいる理由を不思議に思われることもあるかと思います。
当院での処方はしっかりとデータがあるものを使用していますのでご安心ください。
舌痛症にお悩みの方は心斎橋駅・四ツ橋駅からすぐの四ツ橋歯科矯正歯科クリニックにご来院ください。
医療法人光惠会
舌痛症外来担当医 小林隆洋
舌の痛みやしびれなど、
お気軽にご相談ください。
※2023年11月1日新規開院