医科で処方されるお薬の中には副作用としてお口を乾かす、つまり唾液を出にくくするものが多数あります。
そのため基礎疾患として糖尿病や高血圧などの内科的疾患をはじめ、自己免疫疾患や精神科疾患の治療を受けている患者様は、唾液の量が少ないことが舌痛症の一因となっていることがあります。
このような時、歯科医師が教科書で習うのは薬剤を口の渇きが少なくなるものに変更してもらうよう、診療情報提供書(歯医者さんからお医者さんへのお手紙)を書くというものです。
しかし、現実にはどうでしょうか?
基礎疾患、特に生活習慣病の治療では、服薬コンプライアンスというものを重要視して、医師は薬の処方を行っています。
どういうことかというと、できる限り治療している患者様にとって服薬がストレスにならないよう、例えば一日三回分服の薬と、一日一回でいい薬があれば、後者を使うことで飲み忘れがないよう配慮しています。
その細やかな機微は専門の医師が身につけたものであり、歯科医師がいかに勉強しようと及ぶものではありません。
そのため処方の変更を依頼するというのは、よほど口が渇く副作用が強いお薬を飲んでいる場合を除き、あまり望ましいものではありません。
当外来に舌痛症でいらっしゃった患者様で、口の渇きが見られた方には、その原因に合わせた治療を行います。
ここでの場合のように、お薬による口の渇き(薬剤性ドライマウス)には、加齢に伴うドライマウスとまた異なるお薬があります。
白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)という漢方薬なのですが、こちらは腺(唾液や涙を出すところ)を刺激し、潤わせるというデータが豊富に出ている漢方薬で、国内外の論文でもその効果が報告されています。
この漢方が薬剤性ドライマウスに有効であるということは周知されていますので、医師の処方に合わせてこちらを飲んでいただくことで、改善が図れます。
加えてその他にも五苓散(ごれいさん)や麦門冬湯(ばくもんとうとう)など、二の手三の手も用意しています。
舌痛症外来では豊富な薬剤を医師の処方に添えることで、舌痛症の症状を治療するよう備えています。
舌痛症の原因は口の渇きだけでなく多岐に渡ります。
そのため専門の当外来へ、面倒かもしれませんがご足労いただきたいです。
口の渇きに関して付け加えると、舌の乾燥を最も正確に評価できるのは歯科医師です。
そのためお薬を飲んでいて効果を判定できる場所は当外来だけです。
患者様のためを思うと、かかりつけの一つとして当外来にも足を運んでいただきたいところです。
舌に痺れや痛み、ヒリヒリ感・ピリピリ感が現れたら、ぜひ一度、舌痛症外来へお越しください。
専門の担当医がお力になります。
特に糖尿病や高血圧、骨粗鬆症などの方は注意していただきたいです。
ただ漢方による治療は少し時間がかかります。
担当医と二人三脚で、症状を取り除きましょう。
舌痛症にお悩みの方は心斎橋駅・四ツ橋駅からすぐの四ツ橋歯科矯正歯科クリニックにご来院ください。
医療法人光惠会
舌痛症外来担当医 小林隆洋
舌の痛みやしびれなど、
お気軽にご相談ください。
※2023年11月1日新規開院